こんにちは、まーなです。
今日は【2376】(株)サイネックスの2021年3月期の株主優待の紹介です。よろしくお願いします!
目次
さっくり企業情報
大阪府大阪市に本社を置くインターネット広告・地域情報サイトの運営、無料電話帳の発行・配布等を行う企業。電話帳や情報誌を発行するメディア事業、ふるさと納税サイト等を運営するICTソリューション事業、ポスティングサービスを行うロジスティクス事業などがある。
株主優待情報
基本情報
株主優待の概要(2021年3月末)
権利確定月 | 3月末日(年1回) |
単元株 | 100株 |
長期保有優遇 | なし |
備考 | QUOカード |
株主優待の内容(2021年3月末)
保有数条件 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | QUOカード(500円相当) |
200株以上 | QUOカード(1,000円相当) |
2,000株以上 | QUOカード(2,000円相当) |
10,000株以上 | QUOカード(3,000円相当) |
実際に届いたもの
QUOカード500円分が届きました!
官民の橋渡し的な企業みたいです。何気なく見ているタッチパネルは、実はサイネックスのものなのかも?
QUOカードを使えるお店のまとめは こちら(2021年7月現在)
QUOカードは幅広い書店で使えるのがいいですよね!
今回は『人間をお休みしてヤギになってみた結果』を紹介します。
『 人間をお休みしてヤギになってみた結果 』とは?
いっそ動物になってしまえれば、こんな悩みからは開放されるのではないか?
それは、何か辛いことやままらならないことに直面したとき、誰しもが一度は思い浮かべることではないでしょうか?それを突き詰めて実現させた人の本です。
仕事はパッとしないし、彼女に怒られるしで、ダメダメな日々を送る僕。いっそヤギにでもなって人間に特有の「悩む」ことから解放されることはできないだろうか……というわけで本気(まじ)でやってみました。四足歩行の研究のためにヤギを解剖し、草から栄養をとる装置を開発。医者に止められても脳の刺激実験を繰り返し――。イグノーベル賞を受賞した抱腹絶倒のサイエンス・ドキュメント。
商品説明より
こんな人におすすめ
- なにかの動物になってみたいと思ったことがある人
- 研究に対して真摯にひたむきに向き合っている姿を観たい
- ぶっとんでいる人の思考回路を言葉にしたものが読みたい
『 人間をお休みしてヤギになってみた結果 』の感想
究極の「やってみた」
著名な研究者から実業を営む人まで巻き込んだ、究極の「やってみた」系。これを読んでしまうと、巷にあふれる「やってみた」系の動画がとてもチープで、何より常識的に見えてきます。
まず、やり始めたキッカケが、金も職もない現実からの逃避として「人間をお休みしちゃうってどうだろう?」というもの。まあ、ここまではわかる。そこで普通の人なら着ぐるみを着て、動物園に横たわってみる……ぐらいの発想になるところを、ヤギの思考を身につけるにはどうすればいいのかシャーマンに相談し、ヤギの思考を学ぶために動物行動学者に会いに行ったらキレられ、ヤギと同じ行動をするのに必要な装置を人工装具技師に発注し、草を消化するにはどうすればいいのかヤギの解剖をして、最後にはアルプス山脈にてヤギの群れに交じる。
すべての行動に至るプロセスはすべて理にかなっていて、論理的。思考は正常。だからこその抑えきれない狂気が見え隠れして面白いです。
とりあえず、草の消化にヤギの胃から抽出した酵素ではなく、圧力鍋を使ってくれてよかったと思います。
研究の中のやり取りが面白い
著者は色々な課題を解決する中で、色んな人と会話をします。
誰もが誠実に著者に向き合うからこそ、その会話がとても奇妙で、不思議な世界にでも入り込んだような気になります。
「なぜ君はヤギになりたいんだ?」と彼は聞いた。「ええと、実はシャーマンに会いにいきまして、彼女が僕にヤギになれというんですよ~」「へえ、なるほどね」とマックエリゴット博士は言った。一瞬の沈黙の後、彼は続けた。「なぜシャーマンに会いに行ったんだ?」「実は、象になろうと思って行き詰まっちゃいまして」「そりゃそうだろうね」
『 人間をお休みしてヤギになってみた結果 』 74-75ページ
一体どんな表情とトーンでやり取りをしていたのか、気になります。
「ヤギっていうのは、人間でいうところの三歳児ぐらいなんでしょうか?」「あああああああ!」マックエリゴット博士の内なるヤギは僕の質問に苛立ち、身をよじった。
『 人間をお休みしてヤギになってみた結果 』 87ページ
このあと動物行動学者のマックエリゴット博士は怒り出した理由を述べますが、その答えは動物にたいしてとても真摯なものでした。
「(略)もしよかったら、あなたのヤギの仲間になりたいんですよ。アハハ、ええと、四足歩行で。あなたのヤギと同じように。僕の言ってること、わかります?」(中略)オーブンが温まるのを待ちながら、ヒゲを撫で、しばらく考えていた。「……朝は早えぞ」と彼は言った。「大丈夫です。やった!」と僕は言った。
『 人間をお休みしてヤギになってみた結果 』 221ページ
ヤギ農場のセップさんとのやり取りです。学者が受け入れるのはわかるけど……スイスの方って懐深いんですね。
動物と人間の境界とは?
ヤギになる、という目的の中で、動物と人間の境界について考えます。
最初著者は象になろうとしていましたが、「象は道徳を理解する」という理由で辞めました。次にヤギの研究をする中で、ヤギも悩むし、仮病も使う、と教えられます。
ならば、動物と人間のどこに境界があるのか?
その深い洞察の中で、ある答えに行き着きます。それは、シナリオを生み出すという「精神的時間旅行」ができる能力の差異で、ヤギは現在の時間から身動きが撮れない状態になり、人間は計画性を持つことができるが悩んだり後悔させたりする、ということです。
その仮説に「凄い」と思わせた直後、じゃあいい感じに脳を刺激して現在しか感じられないようにすれば、ヤギ体験できるじゃん(ワクワク!)という結論に着地します。ここで心踊らせているのがもう、超怖いです。褒めてます。
総括
抱腹絶倒はしなかったけれど、あまりに自分とは違いすぎる人の発想と、そこから生み出される言葉、そして軽妙で絶妙な訳は、読んでいてとても面白かったです。
ふざけた内容かと思えば、太古の昔から人類が人間と動物との違いを埋めようとしてきた努力の軌跡を、洞窟画や彫刻から紹介してみたり、家畜としてのヤギの歴史について触れてみたりと、ヤギにまつわることが多岐に渡って綴られています。
人体の骨・脳に関する構造の話も、実験している(されている)著者の写真も添えられて、わかりやすく書かれています。
ただ、ヤギの解剖写真がフルカラーで載っているので、グロテスクなものが苦手な人は要注意。
『深い知性を離れ、泳ぎ出す僕についてきてくれ。一人だと溺れてしまうかもしれないからね(60ページ)』そんな彼のお誘いにノッてみるのはいかがでしょうか?
狂気を感じたページ
僕は心から安堵した。なぜってヒッジにはあまりなりたくない気がしたから。そしでヤギを提案してくれたアネットは間違ってはいないという確信からくる感謝の気持ちもあった。ヤギだよ..…僕のレベル的にはヤギがぴったりだ。
『 人間をお休みしてヤギになってみた結果 』 38ページ
人間とヤギには共通点がたくさんある。つまり、地球上の生命のはじまりが三十八億年前であり、ヤギと人間の最後の共通祖先が、たった五百万年前にはまだ生存していたとするなら、人間とヤギは進化の歴史の多くを共有しているということだ。これは、僕にとっては、すべての人間は、内なるヤギを持っているという意味に思える。
『 人間をお休みしてヤギになってみた結果 』 92ページ
もし僕自身が脳仮想病変的状態を、ヤギと僕の脳の相違部分、つまりシナリオを想像する部分と言語を使う部分に引き起こしたら、もしかしてその時は本物のヤギ体験ができてしまうのではないか?これってすごくワクワクするんだけど。
『 人間をお休みしてヤギになってみた結果 』 113ページ
僕はそろそろただの歩行から卒業したいと考えていたので、イスに上がって、ヤギのように前足からジャンプしようとしていた。しかし、ケガをしたくないという深い本能が芽生え、突然臆病になってしまった。
『 人間をお休みしてヤギになってみた結果 』 169ページ
詳細情報
- 本の名前:人間をお休みしてヤギになってみた結果
- 著者:トーマス・トウェイツ(著),村井理子(訳)
- 出版社:新潮社
- 出版日:2017/10/28
- ISBN:978-4-10-220003-2
- 価格:1,034円
各章の概要 読んでよかった章には★がついてます。
- はじめに
- 第一章 魂 ★
- 第二章 思考 ★
- 第三章 体 ★
- 第四章 内蔵
- 第五章 ヤギの暮らし
最後までお読み頂きありがとうございます
この記事を書いた人
ズボラも極めれば合理的!がモットーのアラサー1児のママです。育児休業から復帰したものの、リタイアしてゆるゆる主婦してます。自分が感じた「これはいい!」を共有していきたいです。
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