こんにちは、まーなです。
今日は【8159】(株)立花エレテックの2021年3月期の株主優待の紹介です。よろしくお願いします!
目次
さっくり企業情報
大阪府大阪市に本社を置く電子機器・部品を扱う商社。電気関係製品の卸売業と電気工事業を目的として創業し、ファクトリーオートメーションシステム、情報通信事業、半導体デバイス事業、ビル施設設備事業を手掛ける。
株主優待情報
基本情報
株主優待の概要(2021年3月末)
権利確定月 | 3月末日(年1回) |
単元株 | 100株 |
長期保有優遇 | あり |
備考 | QUOカード |
株主優待の内容(2021年3月末)
保有数条件 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | 3年未満:QUOカード(2,000円分) 3年以上:QUOカード(3,000円分) |
1,000株以上 | 3年未満:QUOカード(3,000円分) 3年以上:QUOカード(5,000円分) |
実際に届いたもの
100株以上3年未満の区分で、QUOカード2,000円分が届きました!
創業100年!企業の平均寿命が確か30年ぐらいだったと記憶しているので、三倍!
QUOカードを使えるお店のまとめは こちら(2021年7月現在)
QUOカードは幅広い書店で使えるのがいいですよね!
今回は『嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書』を紹介します。
『 嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書 』とは?
アメリカの文学教授であり脳科学研者で自身も自閉症の息子を持ち、詩人で作家でもある著者が、複数の自閉症者とともに『白鯨』『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』などの文学を読んでいくプロジェクトの記録です。ただそれは、自閉症者を研究対象とするのではなく、只々ひとより孤独をよく知る彼らとともに古典的文学作品を探求する……というプロジェクトです。
プロジェクトの以前にあった「自閉症者は共感能力に乏しく文学を楽しむことができない」という偏見に対し、自閉症者もまた文学を理解することができることや、どのように文学を楽しんでいるのかを、実際の対話を元に明らかにしていきます。
最近の自閉症の研究についての情報も豊富に含まれていることや、自閉症者がどのような世界にいるのか、ということを自閉症者自身の口から語られるというのも、なかなか見かけない視点です。
当初は独善的な傾向のあった著者も、プロジェクトの進行に従って、徐々にその態度は緩和されていきます。
多様性とは何か……その先鋒としてはLGBTがよく挙げられますが、そうではない世界について触れる、いいきっかけになる本です。
こんな人におすすめ
- 自閉症者についての最近の研究について知りたい人
- 独特の世界観を持つ人の世界を感じたい人
- 多様性の一端に触れたい人
『 嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書 』のおすすめポイント
特に一番最初の『白鯨』が題材の章では、詩的でキラキラとした素敵な表現が並んでいます。著者によって自閉症者の言葉が翻訳されている、ということもいくらかはあるのでしょうけれど、引用の形が取られているので、おそらく本当に自閉症者自身の指先で紡いだ言葉たちなのだと思います。その想像していなかったほどのキレイな表現は、ともすれば誰より豊かな感性を持ってるのではないか?と思わせてくれます。
けれどその感性は、過剰な感覚の入力によるものだと本書の中ではされていて、その苦しさが文面から伝わってきます。自閉症者は情報の取捨選択ができない、という話は、本書の中でも述べられていました。例えば、自閉症者でなければ排除できる雑音や騒音も拾い上げてしまうから、いつまで経っても情報を一般化できないし、初めてのものを見るときには一連の段階が必要になる、とも書かれています。
しかしどうしても、全てを流し込まれた先に生まれた詩的表現は、素敵だと声を大にして言いたくなってしまいます。
障害のモービィ・ディックが君の中を泳ぐ。過敏と鈍感の間をこれほど激しく揺れ動くシーソーはほかにない。君は極端から極端へと揺さぶられ、持ち上げられては落とされ、また持ち上げられる――僕たちが人生と呼ぶ日々の、月々の、年々の大海の中で。目覚めているとき足元に魚を感じ、眠っているとき背中にぬるぬるとした長魚を感じる。どれほど自分を抑えても、どれほど身体を逆に揺らしてみてもシーソーは君の神経を見つけ出し、さらに激しく君を揺さぶり、自我を消耗させていく。君は波のように年をとる―― 形を変え、揺らめきながら、けっしてひとところにとどまらない。
『 嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書 』50ページ
この本の中では、自閉症者は題材となる著作物の何かに自身を重ね合わせていることがあります。また自閉症者が見えている世界や、それぞれが見てきた世界が感じられて、それは苦いものを口に含まされたような感覚になることもあります。
また、この著書に取り上げられているのは、自閉症の重さもそれぞれで、中には学士号を得ている人もいます。かなり忍耐強く訓練を経た人もいて、一般化には向きません。だからこそ、そういう人もいるという多様性を感じるのに、とてもいい本だと思います。
素敵な言葉たちのページ
僕が教室での授業に適していない理由を説明しよう。僕は孤独な鯨だ。自分ではどうにもならない理由から。僕は自閉症で、定型的な(ティピカル)哺乳動物とともに学ぶことがうまくできない。触覚防衛性のせいで広い自己空間が必要なのだ。周りの人の体温で教室の温度が上がっただけで、僕はのほせてしまうかもしれない。音への敏感さの問題もある。左に座った人が息を吸う音や、右に座った人がごくりとのどを鳴らす音が聞こえたら、その音が脳の奥深くに浸み込んでどうにもならなくなるかもしれない。その音は僕の中で増幅して大きくなり、バタフライ効果が働きはじめる――離岸流のように僕を岸辺から引き離し、白い鯨の滑らかな背を思わせる遠くの島に置き去りにする。教室という名のはるかな陸地と僕との間を、海と逆巻く波が隔てる。その上空を、いくつもの疑問がカモメのように舞い飛ぶのだ。
『 嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書 』 53~54ページ
ハイパーフォーカスのせいで世界はばらばらに見える。言うなれば、世界は粉々に砕けている。見すぎないようにして、ようやく全体が見える。
『 嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書 』 59ページ
詳細情報
- 本の名前:嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書 自閉症者と小説を読む
- 著者:ラルフ・ジェームズ・サヴァリーズ(著)、岩坂彰(訳)
- 出版社:みすず書房
- 出版日:2021/06/18
- ISBN:978-4-622-09004-5
- 価格:4,180円
各章の概要 読んでよかった章には★がついてます。
- はじめに
- プロローグ──言葉の大河に浮かぶ私たちの神経の筏
DJ・サヴァリーズと読書 - 第一章 海のように揺らめく世界から ★
ティト・ラジャーシ・ムコパディエイ×『白鯨』 - 第二章 脳の天空
ジェイミー・バーク×『儀式』 - 第三章 アンドロイドと自閉症 ★
ドーラ・レイメイカー×『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 - 第四章 自分の足を見つけ出す
ユージェニー・ベルキン×『心は孤独な狩人』 - 第五章 当たり前を疑うために ★
テンプル・グランディン×『ミート』『ジ・エクスタティック・クライ』 - エピローグ
最後までお読み頂きありがとうございます
この記事を書いた人
ズボラも極めれば合理的!がモットーのアラサー1児のママです。育児休業から復帰したものの、リタイアしてゆるゆる主婦してます。自分が感じた「これはいい!」を共有していきたいです。
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